
仙台のクリニック開業を成功に導く クリニック開業設立ガイド
患者様にとって安心でき、なおかつスタッフにとっても動きやすい空間づくりを実現するにはどのように進めればよいのでしょうか。クリニック内装の基礎知識から法令、施工の流れまで、一通りを解説いたします。
はじめに、クリニック内装の基本と、それにかかわる法令について詳しく説明します。安全かつ快適な空間をつくるためには、関連する規定をしっかり理解し、計画を練ることが重要です。
まずは「安全」についてです。クリニックを運営するうえでは耐火性能、耐震性能、防火区画などの構造面を確保することが求められます。これは建築基準法によって定められており、多くの患者様が出入りする医療機関ならではの重要事項です。
さらに、内装仕上げ材の難燃性や、火災時に有毒ガスが発生しにくい素材を選ぶこと、衛生面でカビ・細菌が繁殖しにくい仕上げ材にすることなど、安全面で考慮すべき要素は多岐にわたります。また、スプリンクラーや消火器などの消防法上の設備要件も忘れてはいけません。
加えて、高齢の患者様や車いすユーザー、小児を含む幅広い患者様が利用しやすいよう、バリアフリー法や地方自治体のバリアフリー条例に合致した環境づくりも必要です。具体的にはエレベーターや通路幅、段差解消、手すり設置などです。
次に、クリニックの内装・建物の安全性を検討する際に重要となるのが医療法と建築基準法です。
診療所開設の許可申請や構造設備基準が定められており、都道府県知事の許可を受ける際の審査は面積要件、防火・耐震、空調・給排水などです。
クリニックを含む建物の構造要件、耐火基準、防火区画、避難経路、通路・階段の幅、排煙設備などについて規定しています。
特に有床診療所(入院ベッドを備える場合)なのか、無床診療所(入院施設なし)なのかで適用される基準が違います。ベッド数が20床以上になると「病院扱い」となり、いっそう厳しい規定がかかるため、計画段階でしっかり確認しましょう。
いずれの診療科であれ、待合室や診察室など必要な部屋を区切り、一定の広さを確保する必要があります。たとえば待合室なら3.3m2以上、診察室なら9.9m2以上といった面積基準を目安とするケースがありますが、地域や自治体により細かい条例があるため要確認です。
また、プライバシー配慮の動線設計も重要です。たとえば「受付で症状を聞かれたくない」「感染症が疑われる患者様を隔離したい」といった要望に対応するには、フロア計画の段階で検討しておくことが望まれます。
さらに、換気や空調設備も非常に大切です。どの診療科目でも、患者様が快適に過ごせる空気環境を整え、感染防止対策としてもしっかり空調・換気を考慮しましょう。
クリニックのコンセプト設定が最初のステップです。診療科、主な患者層、どのような雰囲気にしたいかなど、イメージをしっかり固めます。小児科であれば子どもが親しみやすい雰囲気を、美容皮膚科であれば高級感とプライバシーを重視、といったように方向性を明確にしましょう。
コンセプトが固まったら、内装設計の専門家へ相談します。医療法や建築基準法を理解している実績豊富な会社を選び、コミュニケーションを密に取りましょう。最初はヒアリングシートやラフプランからスタートし、徐々に詳細を詰めていきます。
続いて予算策定です。一般的な目安としては坪単価30~50万円ほどを想定しつつ、スケルトン工事か、居抜き物件か、導入する医療機器は何か、などで大きく変わります。複数社の見積もりを比較し、内訳を確認しながらプランを検討してください。
契約締結後、具体的な工事がスタートします。設備工事(配管・配線の新設等)、造作工事(壁や天井の骨組みなど)、仕上げ工事(壁紙や床材、造作家具の取り付け)と段階を踏み、進捗を都度確認します。工事途中でもコンセント位置やカウンター高さなどの修正が必要になれば早めに共有します。
工事完了後は設計図通りにできているか、消防検査や耐震に問題がないか、仕上がりや細部に傷や不具合がないかをチェックします。合格後、引き渡しとなり内装工事が完了します。
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