“伊達の地”仙台でのクリニック設立ガイド
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仙台市の「眼科」開業事情

仙台のクリニック開業専門家政宗
仙台のクリニック開業専門家:政宗

仙台といえばこの私。この世で一番仙台に詳しいわしが、開業を考えているDr.のためにクリニック開業について猛勉強したんだ。
幅広い年齢層から需要のある眼科について、配慮すべきポイントや必要な機器についてまとめたから、ぜひ参考にしてほしい。

眼科の診療範囲をおさらい

眼科では、視力検査・メガネやコンタクトレンズの処方・眼圧検査といった目全般の診療を実施。近年では、スマートフォンやパソコンなどの普及によって増加している、眼精疲労・ドライアイ・スマホ老眼といったトラブルにも対応しています。

治療は主に薬物療法となりますが、白内障・緑内障の手術、加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞症・糖尿病黄斑浮腫・近視性脈絡膜新生血管症に対する硝子体注射、網膜静脈閉塞症・網膜裂孔・糖尿病網膜症などへのレーザー治療も行います。

眼科を開業する際の注意点

手術に対応するかどうか

眼科の開業でまず考慮したいのが、手術を行うかどうかです。手術が必要な症例に関しては他院に紹介するという手段もありますが、現代社会の高齢化スピードを踏まえると、白内障・緑内障手術への対応は必須と言えるでしょう。

ただし、手術に対応するとなると手術室や手術用機器を導入する必要があり、それに伴ってクリニックの場所選び・設計も変わってきます。

高齢者やハンデを持つ方に配慮を

眼科を訪れる患者は小児から高齢者まで幅広いですが、とくに配慮すべきは高齢者やハンデを持つ方です。こういった方でもスムーズに移動できるよう段差をなくしたり、音声案内やスロープをつけるなど、バリアフリー化を意識しましょう。小児から中高年にかけては視力矯正の相談が多くなるため、スムーズな検査と処方を行える環境を整えることが大切です。

政宗の名言
仙台のクリニック開業専門家政宗
クリニック開業専門家:政宗
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眼科を開業する際に準備する道具・機器

眼底カメラ

強い光を目に当てて瞳孔を拡大させ、眼球の奥にある血管・網膜などの状態を検査する機器です。眼底カメラを使った検査では、網膜剥離・高血圧網膜症・動脈硬化などの疾患を調べることができます。

眼圧計

眼圧が高い状態が続くことで発症リスクが高まる、緑内障の発見に役立つ機器です。角膜の表面を直接押して硬さから眼圧を計測する「接触型」と、圧縮空気を角膜に当てて硬さを測定する「非接触型」があります。

OCT(光干渉断層計)

近赤外線を用いて、眼底の断面像を表示する検査機器。患者への負担がほとんどなく、1回の撮影で加齢性黄斑変性・網膜浮腫・緑内障などの診断に役立つデータを得ることができます。

視野計

視野の異常を見るための機器。緑内障や脳疾患では視野に異常が出やすいため、それらの疾患の早期発見や、進行状況の確認などに役立ちます。主に、静的視野検査を行うハンフリー視野計と、動的視野検査を行うゴールドマン視野計の2種類があります。

眼科の平均年収

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が2012年9月に公表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査 」では、眼科医の平均年収は1078.7万円でした。公表されている診療科目の年収を高い方から並べると、以下のようになります。

診療科目 平均年収
脳神経外科 1480.3万円
産科・婦人科 1466.3万円
外科 1374.2万円
麻酔科 1335.2万円
整形外科 1289.9万円
呼吸器科・消化器科・循環器科 1267.2万円
内科 1247.4万円
精神科 1230.2万円
小児科 1220.5万円
救急科 1215.3万円
その他 1171.5万円
放射線科 1103.3万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 1078.7万円

引用元:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査 」(https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0102.pdf

上記の表を見ると、眼科医の平均年収は公表されている診療科目の平均年収の中で最も低いことがわかります。同調査での医師全体の平均年収は1261.1万円でしたので、平均を下回っている年収です。上位の診療科目と比較すると緊急性が低い治療がメインとなることが、眼科の平均年収が低い一つの要因です。

ただ、一般外来のみで経営するのか、コンタクトレンズやレーシック手術・白内障手術への対応、緑内障外来、網膜剥離などへの対応などを行うかどうかによって、収益は変わってきます。眼科で年収を上げるのであれば、提供する医療の内容をしっかり検討する必要があるでしょう。

眼科の開業のポイント

立地

実施する医療の内容にもよりますが、一般的に外来には子どもから高齢者まで、さまざまな患者が来院します。

住宅街など老若男女が暮らすエリアは、眼科開業の立地にはおすすめです。また、コンタクトレンズ処方の場合、仕事の休憩時間や終業後に来院する患者も少なくありません。そのため、オフィス街にも一定の需要があります。立地を決める際は近隣にある眼科でどの領域に注力しているのかどうかをリサーチしましょう。注力している領域が異なるのであれば、近くに眼科があるエリアでも集客は見込めます。

一般的な眼科クリニックは、30~35坪程度あれば十分だと言われています。ただ、手術を実施するのであれば、一般的な眼科よりも広い45~60坪程度が必要になるでしょう。

内装

眼科に来院する患者は、視覚に何らかの問題を抱えている患者です。症状のレベルはさまざまですが、患者目線での導線を考え、移動しやすいバリアフリーの内装にしましょう。また、院内掲示の文字サイズにも配慮する必要があります。

患者が手を洗う必要があるため、洗面台の数は一般的なクリニックよりも多く用意しておかなければなりません。また、コンタクト処方をする場合は、ある程度の広さがある洗面台も必要です。治療後に目の状態を確認できるよう、大きめの鏡も設置しておきましょう。

眼科は検査室が中心となり、そこから診察室への導線を作ります。他のクリニックとは異なる特殊な配置となるため、実績のある設計士に依頼するのがおすすめです。さまざまな機器を使用するため、配線の数と容量も考慮しましょう。

採用

眼科は視能訓練士を採用する必要があり、眼科医一人に対して2〜3人必要だと言われています。厚生労働省が公表した「令和2年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、眼科医数は13,639人でした。しかし、同じく厚生労働省が公表した「令和4年度厚生労働省白書 資料編」によると、視能訓練士は10,130人しかいません。

地域によっては視能訓練士の数がかなり少なく、確保に苦戦してしまうケースもあるでしょう。人材を確保するためには、近隣の眼科に比べて高待遇を用意するなどの対策が必要です。ちなみに、2015年度の「視能訓練士実態調査報告書」によると、視能訓練士の平均年収は405.7万円、平均時給は1846.9万円となっています。

マーケティング

眼科で患者を集客するためには、力を入れている領域をアピールするためのWEBマーケティングが欠かせません。また、若い世代をメインターゲットとしているのであれば、オンラインでの予約は必須です。ホームページでは注力している領域の詳細や、費用の目安などを明確にすることが、効果的な集客につながります。

近隣エリアの眼科同士の連携も重要です。注力している領域以外が異なる眼科であれば、連携を取ることにより相互で患者を紹介しあえます。

成功事例

コンタクト処方を行う眼科で成功した事例では、コンタクトレンズ店のすぐ近くで開業したケースがあります。コンタクトレンズ店から市場調査結果などを共有してもらうことで、需要の高い場所にクリニックを開業できました。コンタクト処方に特化するのではなく、あくまで一般的な眼科として開業することで、コンタクト処方以外の患者と、コンタクトレンズ店を利用する患者の双方を集客できています。

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