仙台のクリニック開業を成功に導く クリニック開業設立ガイド
こちらのページでは、大学病院に勤務する医師の年収について解説しています。
なぜ大学病院の医師の給料は安いといわれているのか、また年収を上げるために考えられる方法をまとめています。現在大学病院に勤務しており給料に満足していない方や、収入を上げたいと考えている方などは、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
まず、大学病院の勤務医の平均年収について見てみましょう。
2012年に独立行政法人 労働政策研究・研修機構により公表された「勤務医の就労実態と意識に関する調査」を参照すると、大学病院における勤務医の年収は下記の通りとなっています。
主たる 勤務先 の年収 |
300万円未満 | 4.8% |
---|---|---|
300〜500万円未満 | 15.2% | |
500〜700万円未満 | 20.8% | |
700〜1000万円未満 | 36.4% | |
1000〜1500万円未満 | 21.2% | |
1500〜2000万円未満 | 1.7% | |
2000万円以上 | 0.0% | |
500万円未満・計 | 20.0 | |
1000万円以上・計 | 22.9 | |
平均金額(万円) | 739.5 |
経営形態別に平均の年収を見てみると、平均金額が最も高いのは「医療法人」で、次いで「個人」となっています。
続いて平均金額が高い順に、「その他の法人」、「公的」、「国立」、「社会保険関係団体(独立行政法人・国立大学法人含む)」、「国立」、そして最後に「学校法人」となっていることから、大学病院に勤務している医師の給与は、他の経営形態と比較した場合には低いといえます。
また、年収において「500万円未満(「300万円未満」と「300万円〜500万円」と回答した割合の合計)」の割合は「学校法人」は20.0%、「国立」が20.6%となっていますので、この部分から考えても、学校法人(大学病院)の給与は形態別で見ると低いといえるでしょう。
大学病院の特徴として、「研究や医師の育成を目的としている医療機関」である点が挙げられます。そのため、一般的な医療機関とは異なり大学病院では利益の追求を目的としていないことから、人件費の予算が低く設定されている面があります。
人件費が少ないということは、当然実際に現場で働いている医師やスタッフに給料として支給される額も少なくなるため、どうしても他の医療機関と比較すると年収が低くなる傾向があるといえます。
大学病院は、医師の数が多い点も特徴のひとつです。研究や医師の育成という役割を持っている背景からどうしても医師の数が多くなりますが、この点も大学病院に勤務する医師の平均年収が低くなる理由となっています。
上記で説明しているように、大学病院は利益を目的としていない経営形態であることから予算が少ないものの、医師の数が多いために、ひとりひとりの給料が安くなってしまうというわけです。
大学病院の場合、他の病院と比較すると年功序列の風潮が残っているところが多いといわれています。
このような病院の場合、中堅医師の給料が低く抑えられており、年収がなかなか上がらない原因となっています。年功序列の風潮が残っているケースにおいては、実績を上げたり資格を取得したとしても大幅に給与を上げることが難しいと考えられます。
年収を上げるためにまず考えられるのは、「役職を上げる」という方法です。役職別の役職を見てみると、「医員以下」は935.5万円、「助教」は664.2万円、「医長・講師・医局長・部長・科長・副部長・准教授」が1369.1万円、そして「院長・副理事長・副院長・副施設長」が1820.7万円となっています。
「助教」の平均金額は664.2万円で「医員以下」よりも低くなっていますが、それ以外については役職が上がれば上がるほど収入が上がっています。以上の点から、役職を上げることによって給与を上げられるといえるでしょう。
診療科によっても医師の平均年収は変わってくるため、平均給与の高い診療科に転科する方法も考えられます。
2012年に独立行政法人労働政策研究・研修機構から公開されているデータを参照すると、平均年収が高い診療科は、順に脳神経外科、産科・婦人科、外科という順です。逆に年収が低い診療科は眼科や耳鼻咽喉科、泌尿器科、皮膚科で、最も年収が高い脳神経外科との差はおよそ400万円となっています。
このようなデータを参考に、年収を上げたいと考えている方は、より平均年収が高い診療科への転科を検討してみるという方法もあるといえます。
年収アップのためには、現在勤めている職場よりも良い待遇の大学病院に転職する方法も考えられます。ただ、大学病院の場合は「年功序列」の風潮が強いことから、もし同じ病院に長く勤めている場合には、今よりも待遇の良い大学病院を探すのは難しいケースもあるといえるでしょう。
医師が年収を上げるには、開業医を目指す方法も考えられます。
一般的に、自分のクリニックを持っている開業医の場合は年収が多いといわれています。もし自身で開業したクリニックの経営を軌道に乗せられれば、勤務医よりも開業医の方が収入は多くなるため、収入を上げたい場合には開業医を目指すのもひとつの方法であるといえます。
もちろん、クリニックの経営がうまくいかなければ収入も上がりませんので、しっかりと経営を行えなければ、借金を背負ってしまうケースも考えられます。
そのため、開業について検討する場合には、患者がうまくいかないなどの理由によって経営が立ち行かなくなるリスクもある点については、あらかじめ認識しておくことが大切です。
こちらの記事では、大学病院に勤務する医師の収入について説明してきました。
他の医療機関と比較すると大学病院の収入は低い傾向があります。大学病院の場合は、医師の育成や研究といった役割を持っていることから医師の数が多い、利益を追求していないことから人件費が少なく設定されている、年功序列の風潮が残っているなど、さまざまな理由によって収入が低くなっていると考えられます。
もし収入をアップさせたいと考えるのであれば、平均的な給与が高い診療科への転科や転職について検討する、役職を上げるなどさまざまな方法が考えられます。
また、開業医を目指すのも選択肢のひとつといえるでしょう。
ただし、急に開業医を目指すといってもどのように動けば良いのか、何をどう準備したら良いのか、届出等はどのようにしたら良いのかなど、わからないことが多く躊躇してしまうケースもあるかもしれません。
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