“伊達の地”仙台でのクリニック設立ガイド
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仙台市の「耳鼻科」開業事情

仙台のクリニック開業専門家政宗
仙台のクリニック開業専門家:政宗

仙台といえばこの私。この世で一番仙台に詳しいわしが、開業を考えているDr.のためにクリニック開業について猛勉強したんだ。
仙台で耳鼻科を開業するにあたり、押さえておきたいポイントと注意点、必要な機材などの情報をまとめたから、ぜひ参考にしてほしい。

耳鼻科の診療範囲をおさらい

耳鼻科では、脳・眼・歯を除いた首から上の部分の診療を行います。具体的には、耳・咽頭・鼻・頸部の疾患が診療範囲です。症状としては、中耳炎・外耳炎・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・花粉症・咽頭炎・咽頭ポリープ・扁桃炎・めまい・難聴・逆流性食道炎など。顔面神経麻痺といった神経系の疾患や、頸部の腫瘍なども治療対象となります。

耳鼻科を開業する際の注意点

幅広い年齢層が通院しやすいクリニックづくり

小さな子どもから高齢者まで、幅広い年齢層が利用する耳鼻科。できるだけ低階層で、視認性に優れた来院しやすい立地を選ぶことが大切です。比較的患者数が多く、風邪や花粉症のシーズンなどはとくに来院数が多くなるため、待合室はゆとりを持って確保。子どもが飽きずに待てるキッズスペースを設けたり、車・自転車・ベビーカーなどでも通院しやすい環境を作ることが大切です。

継続して通院しやすいシステムの導入

慢性的なアレルギー症状など、耳鼻科は継続的に通院する患者が多くなります。そういった方がスムーズに受診できるよう、予約システムなどの導入も考えたほうがよいでしょう。ネブライザーのみを利用する患者については、一般の診療とは別に案内するといったシステムづくりも利便性アップに役立ちます。

政宗の名言
仙台のクリニック開業専門家政宗
クリニック開業専門家:政宗
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耳鼻科を開業する際に準備する道具・機器

ユニット

吸引・通気・スプレーといった、耳鼻科診療に必要な道具をまとめたものがユニット。耳鏡・鼻鏡・麦粒鉗子・耳垢鉗子・舌圧子など、診察や治療に必要な器具を設置・収納でき、効率のよい診察に役立ちます。

聴力検査ボックス・聴力測定器

聴力測定器(オージオメータ)を用いて聴力検査を行う際、周囲からの音をシャットダウンするために設置するのが聴力検査ボックスです。聴力検査は耳鼻科における基本診療のひとつなので、必ず設置する必要があるでしょう。

ネブライザー

咽頭や鼻の炎症を抑えるための薬液を、超音波で霧化して放出する機械。慢性鼻炎や花粉症、咽頭炎・副鼻腔炎・ぜんそくなど、幅広い症状に対応します。

ティンパノメトリー

検査用プローブ(耳栓)から鼓膜に空気圧をかけ、鼓膜の動きを観察する検査機器。鼓膜や中耳になんらかの疾患が疑われる際に使用します。

重心動揺計

めまい・ふらつきなどの平衡機能障害に対し、その原因を診断するために用いられる検査機器。三半規管・視覚・脊髄固有反射系・中枢神経系など、平衡機能の維持に必要な器官の異常について検査を行います。

エックス線撮影装置・耳鼻科用CT

副鼻腔炎などの検査に必要なのが、エックス線撮影装置です。粘膜・筋肉・骨といった組織の横断面を精密に撮影できる、耳鼻科用CT装置の導入も有意義です。

耳鼻科の平均年収

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が2012年9月に公表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査 」では、耳鼻咽喉科医の平均年収は1078.7万円でした。公表されている診療科目の年収を高い方から並べると、以下のようになります。

診療科目 平均年収
脳神経外科 1480.3万円
産科・婦人科 1466.3万円
外科 1374.2万円
麻酔科 1335.2万円
整形外科 1289.9万円
呼吸器科・消化器科・循環器科 1267.2万円
内科 1247.4万円
精神科 1230.2万円
小児科 1220.5万円
救急科 1215.3万円
その他 1171.5万円
放射線科 1103.3万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 1078.7万円

引用元:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査 」(https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0102.pdf)

上記のように耳鼻咽喉科医の平均年収は、眼科・泌尿器科・皮膚科に並び、公表されている診療科で最も低い年収となりました。同調査での医師全体の平均年収は1261.1万円ですから、医師の平均年収を下回っています。

耳鼻咽喉科は診療報酬単価が低いため、売り上げを上げるためにはたくさんの患者を診療しなければなりません。また、新型コロナウイルスの影響で、耳鼻科を受診する患者は減少したと考えられています。一時的な減少とはいえ、今後不足の事態が起こった場合でも売り上げを確保する工夫をしておくことが、年収を維持するためには必要です。

耳鼻科の開業のポイント

立地

耳鼻科には子どもから高齢者まで、さまざまな症状の人が来院します。ファミリー世帯が多い住宅地は、集客を確保しやすいです。また、オフィス街にも需要があります。ターゲット層を見極めて、最適な立地を決めましょう。耳鼻科は隠れて来院する必要がない診療科目ですから、視認性が高い場所に開業するのがおすすめです。

医療ビルや他にもクリニックがあるモールなどで開業する場合、内科と競合しないかどうかもリサーチしてください。診療科目が違っても、内科があることで予防接種などに制約が出てしまう場合があります。

内装

耳鼻科で成功するためには多くの患者を受け入れ、診療する必要があります。待合スペースは広く確保する必要があるでしょう。待合スペースが広く確保できない場合は、完全予約制にするなどの対策が必要になります。

また、一人当たりの診察時間も短いですから、効率的に診察を行うためには、医師の導線を考えた設計にすることが大切です。診察室を個室にするのではなく、ネブライザーコーナーや聴力検査コーナーにも目が届くレイアウトを検討してもいいでしょう。ただし、この場合は保健所で図面を照らし合わせての事前確認が必須です。

多くの診療機器を設置するため、配線の数や容量も考慮しましょう。また、ウイルスによって症状が出るケースもあるため、換気や空気清浄にも力を入れなければなりません。

採用

基本的には看護師・医療事務を採用します。それほど人気が高い診療科目ではありませんから、開業するにあたっては早めの採用活動を行うのが得策です。思うように応募が集まらない場合は、エージェントなどを利用することも検討しましょう。

耳鼻科の診療では、綺麗とはいえない仕事や手術の準備などをスタッフに担当させることもあります。耳鼻科未経験者の場合は、実際に行う業務をしっかり説明しましょう。また、離職を避けるためには経験がある人や、信頼できる人を採用するのがおすすめです。

マーケティング

耳鼻科には子どもから高齢者まで、幅広い年齢層の患者が来院します。どの層にもアプローチできるよう、アナログなチラシとデジタルなインターネット・SNSを使った広告はどちらも行うべきです。

また、メインターゲットとなる層を考慮し、アピールポイントを打ち出すことも考えましょう。例えば、子どもや子育て世代をメインターゲットにするなら、キッズスペースや絵本などを用意し、子どもがいても通いやすい雰囲気をホームページなどでアピールすることも大切です。忙しいビジネスパーソンをターゲットにするなら、完全予約制など、通院の利便性をアピールしましょう。

成功事例

耳鼻科で成功した事例としては、WEB問診・完全予約制を導入したケースがあります。たくさんの患者を診療する耳鼻科は、待ち時間がネックになって足が遠のいている患者も少なくありません。事前にWEB問診をすることで来院時にかかる時間を減らし、完全予約制で待ち時間を軽減したことで、時間帯による混雑を避けられ、スタッフの労働環境も改善されました。

また、耳鼻科と内科を組み合わせたことで、成功した事例もあります。繁忙期が異なる二つの診療科目に対応したことで、閑散期を減らして売り上げ確保に成功しました。また、人員配置の無駄もなくなり、スタッフは長期の休みが取れるようになっています。

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